パチンコ屋に通い続ける玉乞食。依存者の末路か?

初めての人も安心!優しく指導してくれるホールの主

 

 

僕の働いていたお店には
有名な老年男性のお客さんがいました。

 

いつも作業着みたいなベージュのズボンに
色あせて黒板消しみたいな色になった黒いTシャツを着ていて、

 

身長は低く、だるまさんのようなギョロッとした顔の上に短い白髪をたたえ、
腕を組みながらゆっくりとパチンココースを巡回しているのです。

 

 

顔は広いようで、
常連さんやいろんなお客さんとよく話しています。

 

しかも、腕に自信があるのか、
時折、台の釘を指差して何かを指導しているような光景もありました。

 

店内をぐるぐるしながら、
自分が何か教えていたお客さんが大当たりを引いたのを見ると、

 

「やったじゃん!」

 

みたいな感じで肩を叩いて、
一緒に喜んだり。

 

 

働き始めたばかりで、
右も左もわからずオドオドしている新人店員にも、

 

「おっ、新人か!ココは小さいけどいい店だ。がんばれよ!」

 

と激励してくれたりなんてこともあったので、

 

「あの人は実はお金持ちで、
この店のオーナーもしくは大株主なんじゃないか」

 

という噂までありました。

 

 

 

その様子から、新人仲間と勝手に

 

主(ぬし)

 

とニックネームをつけてそのお客さんを呼んでいました。

 

 

ただ、ひとつ不思議な事が……。

 

主はほぼ毎日いるのに、仲間の誰も
主が打っているのを見たことがありませんでした。

 

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その当たりは誰のおかげだ?

 

 

想像はどんどん膨らんでいって、
いつの間にか仲間内では

 

 

「主は伝説のパチプロで、
自分が『コレだ!』と見極めた台しか打たないが、
いざ打つと1,000円2,000円で凄まじい勝ち方をする」

 

「それでこれまで何店も潰してきた」

 

「駅前の○○という店は店長が出てきて土下座して
『そんなに出されたら潰れてしまいます。もう許して下さい』
と土下座をして帰ってもらったそうだ」

 

 

といった風な話まで出ていました。
まあたしかに主にはそれなりの威厳みたいなのがありましたし。

 

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主はいつも、店のコーヒーレディが販売している
無地の紙コップの飲み物を飲みながら巡回していました。

 

 

ん?

 

最初は気づかなかったのですが、よく考えたらそれは
出玉と交換しないと手に入らないものでした。

 

店内には紙コップの自販機もないですし、
現金での販売もしていません。

 

 

「まさか、それを飲むためだけに
サンドにお金を入れて、
玉を出して交換している……?」

 

「気づかないところで打っている?」

 

 

土日でも閑散とした小さな店です。
誰も主のそんな姿を見ていません。

 

 

いったいどうやって?……

 

そして僕はついに、その決定的瞬間を目撃するのです。

 

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その日、また主が若いお客さんに話しかけ、
何かを指導しているようでした。

 

直後、その台が大当たり!

 

「やったじゃん!!」

 

みたいな雰囲気になって
何かゴニョゴニョやった後、
お客さんが一掴みの玉を主に手渡しました。

 

主はすぐさまコーヒーレディをつかまえて
コンソメスープをGET。

 

 

あれ?

 

その日から注意して見ていると、
どうやら主は、手当たり次第にお客さんに声をかけ、
何か指導っぽいことをした後で、
もしそのお客さんが大当たりを引いたら報酬として
玉を受け取っているようでした。

 

 

そのことを仲間に話すと、

 

「すげえ!やっぱ伝説のパチプロじゃん!!」

 

と盛り上がっていましたのでこいつはダメだと思い、
「怒られるかなー」とか思いながらも、
それとなく休憩室で上司に主のことを聞いてみることにしました。

 

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主の正体はやっぱり出玉乞食でした。

 

それもうちの店だけでなくこの辺一帯で有名な
伝説の出玉乞食です。

 

 

手当たり次第に声をかけ、

 

「この台は100回転以内に当たるだろうからやめるな」

 

とか種をまきまくっておいて、
当たったらそのお客さんのところに戻って、

 

 

「な、当たっただろ?」

 

「やめなくてよかっただろ?」

 

「俺の言ったとおりだろ?」

 

 

と言って、毎回カップ1杯分の玉を要求しては、
飲み物やタバコと交換するようなことを繰り返しているのだそうです。

 

もう10年以上も。

 

 

「いや、いい加減出禁にしろよ」

 

と思いましたが、それは言わないでおきました。

 

きっとそれしか楽しみがないのでしょうね。

 

 

 

【完】



パチンコやスロットにハマり狂っていた当時の自分にぜひ読ませたい教材。これがあったらまず私の人生はもっと違っていたはず。

 

 


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